2005年 08月 29日 ( 1 )
家庭的なるもの。油淋鶏(ユーリンジー)

ランチにファミリーレストランへ入ると、日替わりメニューに、油淋鶏があった。
優柔不断で、メニューと長い間、睨めっこしてからでないと決断できない私には、めずらしく即決して、ウエイトレスさんを呼んだ。


以前、友人に、台湾料理屋に連れて行ってもらったのが、油淋鶏とのはじめての
出会いだった。

駅前商店街から少し離れたところにある、小さなその店は、台湾人の主人と、奥さんが
二人でやっていた。客の8割は常連で、客席とバックヤードが目と鼻の先の店内は、
お客と奥さんの掛け合いと、笑い声であふれており、熱気があった。
私は最初、その雰囲気に、正直とまどっていた。

戸惑っているうちに、友人は、勝手に私の分の台湾ビールを頼んでいた。乾杯し、
何を食べよう、という間もなく、「これがオススメ」といって、友人は、メニューを一瞥して
から、食べ物を、二つ三つ頼んでくれた。

その中のひとつが「油淋鶏」だった。

「油淋鶏」は大皿にのせられて、陽気な奥さんの「おまたせ」だか、なんだか、そんなような
かけ声と共に、テーブルの真ん中にドン、と置かれた。

カラリと揚がった衣を纏った鶏肉が、茶色く光るタレを吸い上げている途中で、めちゃくちゃ美味しそうだった。実際、箸を伸ばして、口にいれたら、本当に美味しかった。
唐揚げのパリパリと、酸味の効いた甘辛いタレが絶妙で、台湾ビールによくあった。
香草の後味もよかった。

思わず友人の顔をみたら、美味いだろ、という顔をした。

夜中まで延々と、そのお店にいた。友人は、いつの間にか、店の奥さんと、紹興酒(だったと
思う)の飲みあいをして、酒の強さを競い合っていた。なんでそんな事になったのか
解らないが、とにかく、店の陽気な奥さんは、べらぼうに酒が強く、次から次に、
酒を一口であおっては、大声で笑っていた。大阪の肝っ玉母ちゃんでも、ああはいくまいと思う。

そんな店の、(奥さんの)影響か、「油淋鶏」は家庭的なもののようなイメージがある。
その友人とも疎遠になって久しいのだが、また、一緒に、あの店に行ってみたいと、思って、しかし、そういえば、携帯のメモリーに、もう電話番号がないのだった、と、すぐに気づき、ちょっと残念に思いながら、デニーズの、どこかかしこまった、「油淋鶏」を食べた。
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by p0210029 | 2005-08-29 15:53 | 日々のこと